二胡で良い音色を奏でるためには演奏技術が必要です。しかし、奏でるための部品にも影響されます!
特に、二胡の【弓】や【弦】は、使用していくと徐々に劣化していく消耗品なので、定期的に交換することをオススメいたします。ただし、弓や弦は交換直後からすぐにキレイな音色が出るわけではありません。約1週間~1ヶ月程度は弾いて楽器と馴染ませないといけません。大切な発表会や演奏会の直前に交換はオススメできませんので、余裕をもって交換しましょう。
二胡歴が浅い方など、ご自身の二胡部品についてよく分からない方は、教室の先生にアドバイスを受けるか、先輩方に聞いてみてください。
もし、ご不明な場合は、二胡姫がオススメする交換目安をご参考ください。二胡講師もつとめる店長とメンテナンス担当のスタッフが、これまでの経験をもとにピックアップしています。
キレイな音色を出すためには、ご自身の演奏技術が大きいですが、部品など二胡の状態も万全にしてこそ、曲の仕上げに打ち込めると思いますので、部品たちにもちょっと目を向けてみましょう♪
◆二胡弦交換のすゝめ
◆二胡弦は一番の消耗品!最優先にチェックしましょう!
二胡弦の材質は、一般的にメーカー問わずほとんどがスチール(鉄)で作られています。
調弦をするときに糸巻きを回すと、弦をギューっと伸ばして調弦しますので、弦自体は徐々に伸びていきます。
また、弦は弓で擦って振動させますので、その影響もあって徐々に伸びきっていくことになります。伸びきった弦は、振動にブレが生じ音色に影響するので、定期的に交換をすることが必要です。
弦の耐用期間はおおよそ『半年~1年』ほどですが、手入れを怠ると、すぐにサビてしまったり、弦に付着した手汗や松脂が、ベタベタしはじめ周りのホコリをくっつけてしまい、弦が消耗します。指に触れる弦のところ(特に第一ポジション付近)がガサガサしているな、と思ったら1年経っていなくても交換をオススメします。
◆発表会や演奏会“直前の弦交換はオススメしません!!”
弦は、交換してすぐに良い音色が出るわけではありません。弾きこむことで、その二胡に合うように馴染ませないといけません。弦が馴染むまでの時間は、メーカーや弾く時間によって異なりますが、余裕を持って1ヵ月はみておいたほうがいいでしょう(^^)
◆交換時期例
- 発表会や演奏会など演奏披露時期を目安にするなら、逆算して半年前ごろから交換して良いでしょう。遅くとも1ヶ月前には交換することをオススメします。いろいろと弦を試したい方は、早めに交換してお気に入りの弦を見つけることが良いでしょう。
◆二胡弦の商品
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二胡弦 FangFang
指のタッチが一番良く、初心者から上級者までオールマイティに使えます。馴染みも早く人気ダントツ1位です!迷ったならこれが絶対オススメ! -
二胡弦 FangFang SOLO
感触は太い!が、音色からは妥協を許さない柔らかくも力強さが感じられます。演奏会や発表会でソロを奏でる方にオススメ! -
二胡弦 銀二胡線
意外と多い銀弦ファンにオススメ!面がツルッとしており、指の滑りが良い感触。太すぎず細すぎず、音色は他の弦に比べて少し高めで伸びのある音色がします♪ -
二胡弦 ゴールデンライオン オットムジカ製
ファーストタッチの感覚がハッキリ太く硬いとわかる弦ですが、内弦は透き通る重低音が響き、外弦高音は美しくもどこか芯のある音色♪ -
二胡弦 トマスティーク製
ヴァイオリンのような雑味のない華やかな音色が特徴。最高クラスの弦です!一度使用した方には、リピート率が高い弦です♪ -
二胡弦 トマスティーク製 SOLO ブルー
繊細な中にも頼りがいのある力強さと長寿命が特徴♪ -
二胡弦 トマスティーク製 SOLO レッド
雑味のない透明感としっとりとしたなめらかな音色が特徴♪ -
二胡弦 PIRASTRO製 レッドドラゴン紅龍
老舗の人気高級弦!中国の弦メーカーと比べると、明るく派手な音色に近いといえましょう!経験者やソロ向き♪ -
二胡弦 老紅木系 KAIKAI(凱凱)
民族楽器独特の味わい深い音味厚みが感じられる弦!好きになる方は多いはずですこの感触♪ -
二泉専用弦 北京星海
『二泉弦』とは、二泉映月やLOVERSなど通常の二胡弦では弾けない低音部の音色を奏でるための専用弦です。二泉二胡(低音二胡)に取り付けると低音の重厚かつ豊かな音色が奏でられます♪ -
中胡弦 敦煌型
『中胡弦』とは、中胡という二胡よりも低い音の出る楽器です。こちらの「中胡弦」は、数ある中胡弦のなかでも、より太く厚みのある音が奏でられるのが特徴です。中胡独特の低音がよりずっしりと重みのある音色が響き渡ります♪ -
中胡弦GD KAIKAI(凱凱)
こちらの中胡弦は「敦煌型」よりは柔らかく、中胡独特の硬さが苦手という方にオススメ!弾きやすく音量も出るため、最初の中胡弦はこちらの弦を試してみてはいかがでしょうか♪
◆二胡弓交換のすゝめ
◆二胡弓は、二胡本体の次に大切な部品です。そして『消耗品』です!
二胡の音が出る原理は、スチール製の2本の弦(内弦・外弦)を、弓の毛で擦(こす)ることによって音が出ます。いわゆる摩擦を起こして音を出すのですが、弾いていくと弓の毛が徐々に磨耗し、摩擦力が低下していきます。結果、音色が安定しづらくなりますので定期的に交換が必要になっていきます。
交換時期の目安としては、弾く方の使用時間・練習量にもよりますが、ご使用開始から長くても2年以内には交換されることをオススメいたします。例えば毎日1~1.5時間ほど弾く方は、1年に1度の弓の交換がオススメです。そんなに練習しないという方も、2年に1度の交換がベターでしょう。
弓毛も練習するにつれ使用するにつれ徐々に切れていきます。弓毛は「切れるのが当たり前」なので、切れることは全然問題ではありませんが、毛の本数がご使用開始時期よりも明らかに半分ほどに減っているようでしたら、ご使用期間にかかわらず早めに交換してください。そんなに使用していなくても4、5年経過しているようであれば、弓毛が汚れていて、音色に影響することもありますのでご注意ください。
また、弓の毛は磨耗すると、松脂が塗りづらくなり、落ちやすくもなります。ガサガサと毛がざらつき、まっすぐな長音がキレイに出しにくくなる原因のひとつにもなります。弓の毛の磨耗は少しずつ起こるためなかなか気づきにくいのですが、ぜひ定期的に交換を行ってください!
◆発表会や演奏会前、二胡弓は早めに交換しましょう!
大切な発表会や演奏会があるなら、二胡弓は早めに交換しましょう!
これは、新しい二胡の弓に慣れるという理由が一番です。二胡弓は、自然天然の素材を使用しているため、同じメーカーや同じ商品であっても、竹棹の長さ重さ太さに若干の固体差があります。今まで使用していた弓の感覚から、新しい弓への感覚に早めに慣れることが大切です。
ちなみに、松脂を塗ったばかりの新品弓は、弦との摩擦に馴染みがないため、ある程度弾きこまなければいけません。1~2週間ほど弾き鳴らして馴染ませてください。弾いていくと弓毛が馴染み、擦れた音が徐々にやわらいでゆきます。
◆交換時期例
- 発表会や演奏会など演奏披露時期を目安にするなら、逆算して半年前ごろからの交換がベターです。遅くとも2ヶ月前には交換することをオススメします。交換したらできるだけ多めに弾いて、弓毛を馴染ませ、新しい弓に慣れましょう。発表会まで1ヶ月を切っているようであれば、発表会後に交換した方が良いでしょう。次回の発表会までに、ご自身に合う弓を試していきましょう。
◆二胡弓の商品
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柳氏製 二胡弓(湘妃竹オス馬尾毛)
店長愛用弓のひとつ!希少な「湘妃竹」で製作され、弓竹に複数節があり、弾力性に富んだ竹の独特な“しなり”は音の立ち上がりをスムーズにします。グレード高いオス馬尾毛が弦に触れるやいなや、その摩擦力によりはっきりとしたクリアな音を出すことができるため、弾(快弓)の換弦(内弦外弦の移動)でも、それぞれの音の粒がしっかり奏でられます。独特なしなりを活かしアグレッシブに弾きたい方にもオススメ! 男女問わず弾きやすいオススメ弓です♪ -
王小迪製 二胡弓(紅竹オス馬尾毛)
特に音の強弱にこだわりたい方へぜひオススメ!摩擦力があるグレード高い馬尾毛を使用。運弓コントロールの技術は要しますが、繊細で小さくこまやかな音、あふれだすようなボリューム感や力強さ、表現力に深みをもたせたい方にオススメです♪ -
潘栄亮製 二胡弓(紅竹)
重々しい力強さよりも、柔らかさな動きを求める方にオススメ♪北京式弓製作職人「潘栄亮」二胡弓!質感としては、王小迪氏製作の弓よりもややしなりが柔らかく、手首や指先の微妙な力加減や感覚を伝えてくれるような感触。弓の毛も多すぎず少なすぎず、真っ直ぐに整えられており、初心者から上級者まで扱えるでしょう♪ -
呂氏製 二胡弓(演奏級)
南方式/上海式の弓でも、特にファンの多い呂氏製の二胡弓!質の高い毛と竹を加工使用し、南方式の弓としては上位クラスの二胡弓といえます。南方式弓の特徴である、弓先端部の竹棹の湾曲バランスが良いと好む方も多く、二胡愛好家に愛用され続けている弓です♪ -
福音弓 <西風> 光舜堂オリジナル二胡弓
日本で唯一!弓毛の張替えができる『光舜堂』オリジナル二胡弓。音色の透明感、キレの良さ、テクニックのかけ易さは抜群です。音色にふくよかな表情が生まれ、表現豊かな演奏が期待出来ます。運弓に余計な力を必要としないので、力を抜いて弾くという事が初心者に理解しやすい、という点でも初級の方にはオススメ。また中国曲以外のジャンルを好んで演奏される方にオススメします♪ -
福音弓 <東風> 光舜堂オリジナル二胡弓
日本で唯一!弓毛の張替えができる『光舜堂』オリジナル二胡弓。立ち上がりの重い感触を好まれる方や、かすれた感じの音色、高音部の沈んだ感じを好む方向きです。従来品のようなザラザラした感じではなく、中国曲特有の響きが出せます。西風よりも毛質摩擦力はあるので、二胡歴が長い方はこちらの弓の方が向いているでしょう。中国曲を多く演奏されるならオススメです♪
◆松脂(マツヤニ)意識のすゝめ
◆松脂(マツヤニ)は、二胡経験者でも意外に見落としやすい重要部品!
「音が出しにくい!キレイじゃない!音色にムラがある!」という大きな理由のひとつに、実は松脂があります。弓の毛には、松脂が適度に付いていないと音が出しづらくなります。
二胡の音が出る原理は、スチール製の2本の弦(内弦・外弦)を、弓の毛で擦(こす)ることによって音が出ます。いわゆる摩擦を起こして音を出すのですが、この摩擦を助ける重要な役目をするのが松脂なのです。また、弓の毛に塗った松脂は、二胡を弾いていくと、毛から徐々に落ちていきますので、定期的に補充する(塗る)ようにしましょう。音色にメリハリをつけるのも松脂の重要な役割です。
◆松脂(マツヤニ)を塗るタイミング。習慣化しましょう!
松脂を補充する(塗る)タイミングは、個人の練習量にもよりますが、毎日何時間も弾く方であれば、練習のたびに、練習前に軽く(3~4往復程度)塗ったほうがよいでしょう。2、3日おきに1時間ほど練習される方であれば、練習3回のうち1回軽く塗る程度でいいでしょう。または、8~10時間弾いたら1回塗るという時間タイミングでもOKです。
二胡初心者は、二胡を弾き始めて1~2ヶ月頃から「急に音が出なくなった、出しづらい」というケースがよくあります。実はこの原因のほとんどが、松脂の塗り不足にあります。弓の毛の真ん中あたりは、二胡を弾いていく上で、特によく使用しますので、松脂粉が落ちやすいです。その点もふまえながら、松脂は定期的に補充する(塗る)ようにしましょう。
多量の塗りすぎは良くないと言われますが、少なすぎはもっと良くありません。まずは塗って音を出すことが大切です。
松脂塗りの習慣化ができれば、あとは個人の感覚で、塗る量や回数を調整してください。
松脂の適度な塗り加減は、1曲弾いたあと胴の上に松脂の粉が落ちているくらいが丁度良いです。弾いてみて松脂の粉が、噴煙みたいに多量にふき出る場合は塗りすぎです。また、塗っても音色にムラがある場合は、他の原因が考えられます。その際は、松脂を塗るのをしばらく控えてください。弾きこむうちに余分な粉が徐々に落ちてきますので心配はいりません。
※松脂を塗るタイミングは、弓の毛質や種類によっても異なります。弓の製作メーカーや、先生からの指示があれば、その指示を参考にしてください。
※松脂を塗るとき、弓毛を素手でギュッと握らないようにしましょう。手汗や手の脂が、弓毛に付着すると松脂が塗りづらくなり、音色に影響する場合があります。指先でタッチする程度なら問題ありません。
※弦を新しく交換した時は、弦自体がまだ固いため、音が出しづらい場合があります。このような時は松脂を弓毛に少々塗ると音が出しやすくなります。
◆交換時期例
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松脂は、塗っていくと徐々に減っていきます。減ったタイミングで買い換えるのが一般的です。しかし、松脂にもいろいろ種類品質がありますので、いろいろ試したいということであれば、発表会や演奏会など演奏披露時期を考慮するなら、1年前あたりから徐々にお試しください。
今お使いの松脂に、新しい松脂を重ね塗りしても問題はありませんが、なるべくなら今付いている松脂は、弾いてある程度落としていた方が良いでしょう。
◆松脂(マツヤニ)の商品
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松脂 JADE J100M
松脂自体が比較的柔らかく、弓に塗りやすい松脂です。また、演奏時に松脂粉の吹き上がりや胴への落ちる量が少ないのが特徴です。引っかかり(摩擦感)も良いので、高音を使用する上級曲演奏者にはオススメです♪ -
松脂 PIRASTRO ゴールドフレックス
原料に金粉を混ぜたもので、粒子のきめが細かい使用感があります。サラサラ感がありながらも引っかかり具合の摩擦感が良いので、運弓コントロールの強弱が音色に伝わりやすいといえます。二胡を奏でると、高音部分が艶のある音色が奏でられます♪ -
松脂 ドクターロジン
粒子は細かすぎず、粗すぎず、二胡にもヴァイオリンにも使えるオールマイティなオリジナル松脂(台湾製)です!価格コストと質がちょうど良く、初めて松脂を買い換える初級者から中級者にオススメ♪ -
松脂 クラリティ <ハイドロ・カーボン製>
松脂アレルギーかなと思われる方へオススメする松脂!“ハイドロ・カーボン(炭化水素)”を原料としたマツヤニなので、二胡を弾きだすと、どうも手や目が痒くなるという方で、もしかしたら松脂が原因かなと思われる方、まずはこちらのクラリティをお試しください♪
◆二胡駒は簡単交換のすゝめ
◆二胡駒は、一番気軽に交換できる部品です!
駒は、弦の振動を皮に伝える重要な役割をします。実は駒ひとつと言えど、材質や形状によって音色は変化します。明るい音色になったり、柔らかく丸みをもった音色になったりなど、交換するだけで音色の変化を楽しむことができます。また、弓や弦など他の部品にくらべて、簡単に交換ができますので、今の音色を変えてみたい方は、気軽にチャレンジしてみてください。
二胡歴が長い方、演奏活動をしている方には、演奏する曲や雰囲気に合わせて音色を変えてみるのもオススメします。また、二胡によっては(厳密に言えばその時の二胡の状態・天候湿度・室内室外によって)、合う合わないということもありますので、駒は数種類は持っていた方が良いでしょう。
注意点としては、駒は気づかないうちに割れたり欠けたりしていることも多々ありますので、音色とともに定期的にチェックを心がけましょう。
◆交換時期例
- 発表会や演奏会など演奏披露時期を目安に、いろいろ試したいということであれば、1年前あたりから徐々にお試しください。簡単に交換ができるので、ギリギリまで試してみるのもOKです。ただし、直前の駒交換によって、技術抜きで劇的に音色が良くなるということは多くはないので、交換してみて合わないようでしたら、元の駒に戻しておいた方が良いでしょう。
◆二胡駒の商品
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黄花梨駒 (量産モデル)
希少価値の高い木材『黄花梨』を使い、繊細さやすっきりとした音色というよりも、音量や厚みのある少し雑身のある黄花梨独特な音色が出るので、中国古典曲や民謡などを好んで弾く方に特にオススメします! -
楓駒(呂建華駒)
北京二胡製作者の名匠「呂建華」工房の楓製二胡駒!実際に装着してみると、クリアな音質で音色にツヤが感じられ、輪郭がはっきりとしパっと明るくなります♪真新しい二胡よりは、長年弾き続けている二胡、ヘビ皮がだいぶ柔らかくなった二胡には特にオススメ!まずは一度お試しください! -
黒檀駒(柳氏製)
二胡の音量を少し控えめにしたい方にオススメの駒!二胡自体が新しくまだヘビ皮の張りが固くてうまく馴染まずにいる二胡につけると、少しオブラートに包んだような音色になるため、ご自分が練習する時や、ご年配の方の傍で聴かせるときにと、場面にあわせてご活用ください! -
紫檀駒
ひとつは持っていて欲しい、音色を幾分柔らかくする特徴の紫檀駒です。キンキンした甲高く硬質な音色が出る二胡に装着すると、甲高さが和らぎ丸みを帯びた柔らかい音色になります。製作されて間もない皮の貼りが硬い二胡などに特にオススメ♪ -
プロ用色木油煎駒
新しい二胡から古い二胡まで比較的オールマイティに使用できる駒です。硬過ぎず、柔らかすぎず適度な硬さの楓を油であげて、音がよくなるようにしました。とりあえず駒選びに迷ったらこちらオススメです♪